“前クールでNHKで放送されていた『透明なゆりかご』が印象的でした。
以前放送されていた『コウノドリ』と少し重なる印象もありましたが、私自身が産後間もないこともあり、色々と考えさせられたドラマでした。
無事に出産できることが当たり前のように考えていましたが、健診を受けながら何事も100%とは言い切れないことがたくさんあることを知りました。
中絶する時にも『命』が目の前に存在していたことを改めて気付かされました。
大人の都合で生まれてこられなかった小さな小さな命を清原果耶さん演じる主人公のアオイが見つめる姿は何とも言えず悲しくなるシーンでした。
出産までは元気に過ごしていたマイコさん演じる妊婦の真知子が亡くなるなんて想像もしておらず、しかし現実に起こりうることなのかと感じました。
残された赤ちゃんと旦那さん。
旦那さん・陽介を演じていた葉山奨之さんが上手く心情の変化を表現されていて切なくなりました。
清原さんはまだ若いこれからが期待される女優さんですが、純粋で素直な雰囲気が役のイメージにもピッタリで、産婦人科を舞台としたドラマの世界観にも自然と馴染んでいて看護師の見習いもとても上手に演じられていたと思います。
瀬戸康史さんもまだ若い俳優さんだと思っていましたが、しっかりとした院長を落ち着いて演じられていました。
そこにベテランの看護師長として原田美枝子さんが演じられていたので、現実的にも違和感のない産婦人科としてドラマを観ることができました。
アオイの教育をしていた先輩役の水川あさみさんも自然な看護師役で、少しずつアオイを認めていく様子がとても優しくて良かったと思います。
ラストでは無事に母となり、妊婦さんたちにとっては更に心強い看護師さんになるのだろうなと思いました。
連続ドラマでは出産シーンはサラッと一瞬の出来事として描かれることはよくありますが、当たり前のように無事に誕生するため、このようなドラマは知らない現実を知る良い機会だと思います。
目の前にいる我が子が元気に生まれてきてくれたことは奇跡であること、『ありがとう』と感謝の気持ちを忘れてはならないことを感じました。
自分には縁がないものだと感じがちな男性にこそ観てもらいたいドラマだと思います。
将来親になる若い人たちが見てもとても勉強になるのではないかと思いました。
最後、アオイは一人前の看護師となっていたので、更に成長していく姿を見たいなという気持ちにもなりました。
“